レシピ
ラード 758g
キャノーラ 403g
オリーブ 55g
キャスター 150g
ミリスチン酸 150g
[オイル総量 1516g]
水 500g
NaOH 219g(鹸化率103%)
作成日:2020.02.02
レシピメモ
いろんな事情があって作った石鹸です。ということでちょっと長めのレシピメモ。
今回の石鹸を作る上での大きな目的は、消泡剤入りのラードを大量使用することなんです。
消泡剤入りラードを消費するためランドリーソープを作る
その昔、石鹸を作っているという話をしたら「油をあげるよ」と言って送ってきた方がいまして。
その油が消泡剤であるシリコン入りの業務用ラードの一斗缶だったのです。
私自身それほど肌が弱いわけではありませんが、わざわざ作っている手作り石鹸にシリコン入りの油を使うのもなんとなくいい気がしなくて、ずーっとほったらかしてたんですよね。たぶん10年くらい…。
捨てるのも忍びないしどうにかしたいなとはずっと思ってたんですが、掃除用に作ってもいいけどそんなに量使わないしなーと迷ってて。
で、ある日柔軟剤にはシリコンが入っていることを知ったので、ランドリーソープとして使えるのでは?ということで作ってみました。
元々洗濯自体は石鹸でしていて(普通の洗剤だと肌が荒れやすいので)、モノさえできてしまえば使うことに問題はないんです。
オイル構成とレシピの考え方
消費したいラードをできるだけ高く配合し、溶けやすくて泡立ちの良い石鹸になるような構成が理想的。
元々ラード自体がオールマイティーなオイルなので、起泡力の底上げにミリスチン酸、泡の維持力にキャスターオイル、細かな泡を立ててコスパに優れるキャノーラオイルを使ってます。
少しだけ入っているオリーブオイルは、賞味期限切れのオイルをもらったので入れただけ。
大まかにはラード50%・キャノーラ+オリーブ30%・キャスター10%・ミリスチン酸10%になってます(多少ずれてるのは計量がいい加減だから)。
ハードオイルが60%になるので、溶かしにくいかもしれません。
できればラード70%キャノーラ30%くらいで作りたいんですが、初回なのでちょっと日和りました。
鹸化率は103%。余剰油脂があると使いづらいのとキャノーラオイルが酸化しやすいので、過アルカリにしています。
溶かして使うので多少の過アルカリは問題ないはず。
水分量は33%ほど。単に市販の精製水が使いきれる量でちょうどいいくらいの水分量だからです(鍋の大きさ的にこれ以上オイルを増やすのはちょっと怖い)。
普段作るときは水分量は30%なのですが、今回は過アルカリにする分苛性ソーダの量が多いので、少し水分量が多いくらいの方が作りやすいです。
どうせ溶かして使うから、多少タネが緩くても問題ないですしね。
ホットプロセスでの作成について
いつもと同じくコールドプロセスでもよかったんですが、滑らかな石鹸を作る必要もないし手早く作りたかったのでホットプロセスで作りました。
キャノーラオイルが高配合のレシピはトレースが出るまで時間がかかりやすいので、コールドプロセスだと1日がかりになるときがあるんですよね。
それからホットプロセスだと温度管理のための待機時間がほぼないのも魅力的。
あとたまにはホットプロセスで作っておかないと、作り方を忘れちゃうので…(実際ちょっと失敗した)。
作成メモ
オイルを計量して溶かすこと、苛性ソーダの水溶液を作るところまではいつもといっしょ。
コールドプロセスで作る場合、苛性ソーダの水溶液の温度が40度くらいに下がるまで待機する必要がありますが、今回はホットプロセスなので、苛性ソーダが全体的に溶けたらオイルに混ぜます。
ただあんまり温度が高いと分離してしまうので、外側から触って「ちょっと熱いけどまあ触っていられるなー」くらいまでは温度を落とします。
今回不精をしてしまって、オイルの入った鍋を触ったときに「結構熱いけどまあいけるかな」というくらいのタイミングで水溶液を入れたところ、あっという間に中央部分がかたまりはじめました。
オイルの中央部分はまだ結構熱かったんですね。
軽く混ぜてみたんですが、分離しそうな感じ(生地がもろもろしてくる感じ。パウンドケーキなどの分離と似たような見た目になります)がしたので、手早くすりつぶすようにかき混ぜていったところ、なんとかまとまってくれて一安心。
水分量が多くて、タネが柔らかかったのが幸いしました。
その後しばらくかき混ぜたところなんとなく艶感が出てきて、冷めたところからどんどん固まっていくようになったのでそこで出来上がりとしました。
かき混ぜてたのは30分くらいかな。全行程泡だて器を使ってます。
写真ではかなりぼこぼこしていますが、これは冷えた先から固まってしまっていくため、こそげとるようにして鍋から石鹸を取ったからです。
この時点では結構柔らかくて、手で練ったりすればある程度形は整えられます(が、今回は使えればいいのでそのままケースに入れました)。
解禁直後の使い心地
匂いについて
作ってるときから気になってたのですが、石鹸くさい匂いが残ってます。
ホットプロセスで作ったからかなあ…。コールドプロセスで作るときに保温をしすぎると出てくる匂いと一緒です。
この匂い溶かしても消えないので、消臭必須です。
溶け具合について
一番理想的なのは水を入れて置いたら翌日には溶けている、というものなのですが、そこまで簡単には溶けませんでした。
石鹸に対して2倍程度の水の量だと、石鹸全体の容量が増えるという感じで、ぶよっとした固体になってしまいます。
また、水のみだとかなり溶けが悪いです。
使い方
まだまだ試行錯誤していて、「とりあえずこう使えばそこそこ使えた」という段階です。
まず匂いについては、石鹸と同量の重曹を入れたらましになった気がします。
よく洗濯石鹸や廃油石鹸で重曹を入れているレシピを見ますが、なるほど消臭用か…と納得。
石鹸を作るときに混ぜ込んでいいみたいなので、次回は石鹸と同量の重曹を入れて作ってみます。
それから、使い古しのはっか油が出てきたので入れているのですが、これも結構効いてる気がします。
溶かし方については、今は石鹸の重量の約5~10倍くらいのお湯で溶かしてます。
水の量が適当なのは、その日お茶用に沸かしたお湯がどれだけ残ったかで変わってるから。最低5倍、最大10倍くらいで考えてます。
ある程度混ぜておけば大体溶けてるんですが、寒い日なんかは上に膜のようになって固まってるので使うときにさらにお湯を入れて溶かしてます。
ただ、毎回お湯で溶かすっていうのもどうも面倒なので、もうちょっと楽に運用できないかなあと考え中…。
洗い上りは特に今のところ問題はないのですが、若干石鹸くさい気配がするので、5回に1回くらいは普通に売ってる石鹸でリセットしないといけないかもしれません。
全体的に洗濯用石鹸として使うには面倒な出来になってるので、いろいろ楽にできないか考えてみようと思ってます。
最終的な使い方
500mlのお湯に石鹸を入れて溶かし、溶けなかった石鹸をすくいだして使ってました(計量が面倒だったため)。お湯を入れただけでは溶けづらいので、かき混ぜる必要があります。
しっかりと石鹸を溶かし込めば、水量45リットルに対して十分な量の泡がたちました。
溶かし込みが甘いと、40リットルを超えたあたりで急に泡が消えます。
今回の石鹸には色がついていたので、色を見て十分な量の石鹸が溶けているかを判断することができました。
匂いは日がたつにつれて気にならなくなりました。今回ホットプロセスで作りましたが、できれば1ヶ月くらいは置いておいた方が、匂いが落ち着くようです。
ただし最後まで、500mlの石鹸水に対して、大さじ1の重曹と過炭酸ソーダ、はっか油を数滴追加していました。
この方法だと匂いが気にならなかったので、減らすのが怖くって。
汚れ落ちは全く問題ありませんでした。むしろ市販の石鹸より良く落ちたかも。
洗い上りは、普通の洗濯石鹸と特に違いはありません。
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