買ってよかったマンガたち 2020年

元々マンガはかなりよく読む方なのですが、物の管理が苦手ということでここ数年買わないようにしてたんです。
しかしコロナでの自粛を機にとうとう禁断のKindleに手を出してしまいまして。
物理的な制約がないのとワンポチで買えるという便利さもあって、以前から気になっていたものを中心に買い込んでしまいました。

ということで、今年買って面白かったマンガたちについて書きたいなーという記事です(買ったのが今年というだけで、連載自体は1作をのぞき前からされているものばかりです)。
できるだけ読んだことがない人に興味を持ってもらえるように書こうと思っていますが、自分の記録的な意味もあるので、ちょっと冗長な紹介ですがご勘弁を。

どれも大体試し読みを経由して知ったものばかりなので、探せばどこかに試し読みはあると思います(私はよく見てるのはコミックシーモア)。

書いてて気づいたのですが、私がマンガを購入するかどうかというのはそのマンガのギャグが合うかが大きなウェイトを占めているようです。

ワールドトリガー

created by Rinker
¥460 (2021/01/22 13:13:31時点 Amazon調べ-詳細)

まずはメジャーなところから、ジャンプ連載の戦略系漫画。
元々前作リリエンタールのとぼけた作風が好きな作者だったので、ジャンプ連載時から読んでたんです(近所にジャンプをまとめ読みできる喫茶店がある)。ただ作者の方の病気の関係で、途中からジャンプSQに移籍。
それがちょうど主人公チームに新メンバーが入る区切りのところで、大幅に戦術に幅が出るし気になるなーと当初はその先だけ購入してました。が、結局遡って読みたくなったので、後ほどジャンプ連載部分の単行本も買い足しました。

近界(異世界みたいな感じ)に侵攻される地球が舞台で、独自に発展した武装で戦う話です。こう紹介すると悲惨なストーリーを思い浮かべるかと思うのですが、作者の方は元々スポーツ漫画を描きたかったそうで、飄々とした作風も相まって独自ルールのスポーツ漫画のような軽いテイストで読めます(戦争の側面もあるのに全体的に軽いというのが、逆に苦手な人もいるようです)。

この漫画、少年漫画であるにも関わらず主人公がメインキャラクターで恐らくぶっちぎりに弱いです。しかし、手持ちのカードを駆使して強キャラと渡り合って行く過程が見事。毎回作者の頭の中はどうなってるのと思うほどストーリーが緻密に組み立てられており、出発点は出遅れていても、細かな要素を積み立てて目標まで追いついた瞬間はぜひ実際に読んで楽しんでほしいです。

連載漫画では考えられないような膨大な数のキャラクターが出てくるのですが、各キャラクターの性格や得手不得手が分かりやすくそれが様々な盤面でよく生かされているため(これもほんとに作者の頭はどうなってるの…)、キャラが深堀りされるたびに読み返すと毎回新しい発見があります。まとめて買ってよかった。

魔女の下僕と魔王のツノ

created by Rinker
¥639 (2021/01/22 01:22:41時点 Amazon調べ-詳細)

師匠の魔女の呪いを解くために必要な魔王のツノを、魔女の下僕である主人公が取りに行く話。といっても、魔王のツノを取るための長い旅をするのではなく、魔王城に何度もアタックしては帰ってくるのを繰り返すギャグマンガです。

試し読みを見かけたときにキャラデザが可愛いなーと読み始めて、ギャグのテンポが好きだった漫画…なのですが、当初はそのまま追いかけることもなく忘れてました。
その後、過去話の教国のレクエルドをpixivコミックで偶然見かけて全編追いかけ(今は1話のみ公開されてます)、あまりにも救いがない結末だったのでAmazonでこちらの漫画のあらすじを読んだところハッピーになりそうな気配があったのでそのままの勢いで購入。

で、元々はギャグマンガのつもりで読み始めたのですが、読み進めると作中のキャラの考え方がものすごくヒットしまして、特に最新の3巻くらいは泣いたり笑ったりの振れ幅大きすぎて読むのが大変です。シリアスな話をしていてもそこここにギャグが挟まるので、ジェットコースターみたいに感情を揺さぶられる漫画です。

最初の方は性別とは何か、という話がちらほらと見えるのですが、少しずつ差別とは、宗教とは、心のありようとは…という話に広がっていきます。
個人的に私は昔から恋愛話に全く興味がなく(アセクシャルではとちょっと疑っている)、異性を好きというのは一体どういう感情なのか、私の感情はどこか欠陥があるのではというのに悩んでいたんです。けれどこの漫画を読んでいるうちに、性別とは関係なく人間として好きな人は確かにいるし私はそれでいいんだ、ということがストンと心に落ちまして。いつの間にか自分の心にかけていた枷を解くきっかけになりました。
様々な境界線に苦しんでいる人に、読んでみてほしいなと思います。

内容のわりに知名度が低すぎる気がするので、もっと多くの人に読んでもらいたいなーと思ってるんですが、少年誌掲載の宿命か最初の方は結構エロ系を推してる感じなのがちょっと他人に勧めにくいんですよね…(エロ系からの方向転換で話題になった2.5次元の誘惑ほどではないですが)。
あとギャグのテンポも結構人を選ぶのかなー。私はドンピシャで好みだったんですが結構なハイテンションなので、購入前に試し読みをおすすめします。実は私もこの作者の他の作品はギャグがきつくて読めなかった…。

秘密 season0

created by Rinker
¥767 (2021/01/22 13:13:31時点 Amazon調べ-詳細)

私は基本的にハッピーエンドの気配がする漫画しか買わないのですが、数少ない不幸な結末が見えているのに買ってしまう漫画。

他人の脳から取り出した情報を映像で見られるようになった、近未来の警察のお話です。元々は複数巻にまたがる「秘密」というシリーズがあって、「秘密 season0」は設定は変わらないのですが短編集のようなオムニバス形式の話が中心です(時系列も多少前後します)。

作者の清水玲子さんの昔からの作風と変わらず(月の子と輝夜姫を通して読んだくらいなんですが)ビターエンドのものばかりなのに、なぜか魅力的で定期的に読んでしまう…。絵がとてもきれいで、だからこそ得体のしれない「何か良くないもの」が近づいてくる不安感を引き立てます。
この作者さんは、日常のすぐ横にある奈落の落とし穴とか、ありえなくはない不幸な偶然を描くのが大変に上手で、怖いもの見たさでのぞいてみてしまうのだと思います。現実的な世にも奇妙な物語みたいな感じ。

長編だと重くて読むのにも気合がいるのですが、短編は少しだけ足を踏み入れて帰ってこれるので、この形式が続く間は買おうと思っています。とはいえ最新刊からちょっと長編に入りそうな雰囲気。

葬送のフリーレン

created by Rinker
¥462 (2021/01/22 13:13:32時点 Amazon調べ-詳細)

魔王を倒した勇者一行の魔法使いが、仲間が寿命で死んでしまった後人を知るために世界を回る話。

元々サンデーうぇぶりで読んでいて、絵もきれいだし独特のテンポ感も好きで毎週追いかけていた作品です。ただ、大冒険が終わった後で過去を振り返る話が多いことと静かな作風も相まって、大きくストーリーが動かない「ちょっといい話」のオムニバス形式で進むのかと思って、特に購入する予定はなかったんです。フリーレンのむふーっていうドヤ顔可愛いなーくらいな感じで楽しんでました。

話が動き始めたのは、コミックで言えば2巻の中盤から。魔王は倒したもののその残党が人間と争っているという話が出始め、この漫画もストーリー動かすようだぞ、というのを感じたのと、その話の動かし方が好きだったので購入を決めました。

キャラクターが大真面目にボケを重ねるような独特のマンガ(動物のお医者さん系統)なのと戦闘描写も静かなので、読みなれないと面白さが分かりにくいかもしれません。
私は初見はあまり魅力を感じずに追いかけなかったのですが、暇なときに何回か読むうちに「お、これは面白いのでは?」と思ったタイプ。ということで無料の3話分だけでなく、ぜひ2巻分まとめて読んでもらいたい作品。

余談ですが、最初にこの漫画の設定チラ見したとき「勇者ご一行の帰り道」が連載化したものと勘違いしてました。もし同じ勘違いをしている人がいたらいけないので、念のため。

ブルーピリオド

マンガ大賞2020の受賞で一部無料公開されていたのを読んで、そのまま購入しました。

大体のことを何でもそつなくこなす自覚ある秀才が、「美術」という全く未知の分野に自分の描いた絵がきっかけで進んでいくお話です。

これ最初は漫画として面白く読んでいたというより、主人公が美術を学ぶ上での先生の解説が、自分が美術鑑賞をしたり写真を撮ったりするときに勉強になるなーと思って買い始めました。
また読んでいくうちに、この受験期の不安と期待と迷走する空気感が懐かしく、そのあたりも楽しめました。主人公もなんだかんだ言いながらちゃんと良くないことは反省して前を向いて進んでいく気持ちの良い性格をしてるので、自然と応援したくなるんですよね。

ただ、美大に入ってからは「作り出す側」の難しい話が多くなりそうなのと、明らかに主人公がまた苦悩するパターンが続くなと思ったので、読み続けるのはしんどいかなといったん購入をやめています。
ある程度主人公が道を見つけたとき、また自分がより美術に興味をもって作る側の話も読みたいと思ったときにまた購入すると思います。

おまけ・鬼滅の刃

この記事を上げてから、現在社会現象ともいえる「鬼滅の刃」について書いてなかったなと思って追記。

実は、手元に唯一持っている紙での漫画が「鬼滅の刃」です。
作者の読み切りを本誌で読んで以来「すごく独特の漫画を描く人だ」と思って、連載当初からずっと追いかけていました。
最初の頃は掲載順位が危ういように見えたので(編集さんの話とかだとそういうわけでもなかったようですが)、応援を込めて買ってそのままずっと最終巻まで買い切りました。

色々な魅力がありますが、言葉選びが繊細なところが何より私は魅力的に感じました。まだまだ続きを読みたいと思える漫画家さんでしたが、引退されたとのことでとても残念です。
そのうちどこかでひっそりと、ご自分のペースで漫画を描いて発表していただければなと思っています。

コメント