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茶楼farmoon(京都・銀閣寺):五感を刺激する空間

今まで京都の中でおいしいお店をいくつも記事にしてきましたが、今回記事にするお店はこれまでとは明らかに異なります。
正直にいうと私の語彙力ではこのお店を表現しきれる気がしないのですが、それ以上に「ものすごい体験をした」と思ったので、その気持ちを共有したくて記事を書きました。

訪れたのは「茶楼Farmoon」。
名前の通り、お茶のお店です。

実は元々、この場所に「お店らしきものがある」ということは知っていました。
あるとき改装を始めたのに気付いたのですが、外から見たら何となくおしゃれな感じがして、レストランっぽいしいつオープンするのかなとずっと気にしていたんですよね。

でもいつまでたっても、何も案内が出ませんでした。
そうこうするうちに、中では何やら人のいる気配もするようになったのに、それでも看板も何も出ませんでした。

ここを通るたびにちょこっと扉の中をのぞいてみたりしたのですが、小さな扉なので何が行われているかもよくわからず。
それほど多くの人が出入りしている様子もなかったので、「プライベートレストランか何かかな?」と思っていたんです。

でもある日偶然読んだ雑誌にこのカフェが載っていて、一般の人が入っても大丈夫なお店だということが分かったので勇気を出して入ってみました。

中には、独特の哲学を感じる空間が広がっていました。
異国を感じるインテリアやBGMが調和して一つの世界観を作り上げていて、まるでどこかの「別の理で成り立っている世界」に入り込んでしまったような感覚。

そして何より、ここにいると五感が刺激されるんです。

まずお店に入って気づくのは、香り。
飲食店には珍しくエッセンシャルオイルを利用していると思われる香りが薄く広がっており、これが通奏低音のように、このカフェに滞在する間嗅覚を刺激します。

更に、着席してから出されるおしぼりは強めの着香。
手に移る香りがその後お茶を飲むたびにふわりと漂い、お茶に複雑なニュアンスを加えます。

店内に流れる音楽は、宗教音楽のような伸びやかな女声のソロ。
聴覚を通して体の奥底に響き、体を浄化するようなBGMで、忙しない普段の生活からふと抜け出した感覚に陥りました。

店内は広々としており、上に目を移せば、屋根の梁が見える吹き抜けの空間。
物理的に広い空間は触覚と視覚を開放し、自然と体が緩んでいきます。

そして最後に、カフェの本題であるお茶。
透明感とまろやかさを感じるお茶は、抵抗なく味覚を通り過ぎて体の中に入っていきました。

空間一つを、ここまで「普段と違う体験ができる」空間へ変えられるとは、これまで想像もしたことがありませんでした。

と、ここまで書くととても敷居の高いカフェのように見えますが、スタッフの方はふわりとした親しみやすい雰囲気の方です。
お茶の値段も800円程度でそこまで高くありません。

このような形態のお店ってあるときふっと消えてしまったりするので、また早いうちに再訪問したいと思います。

茶楼farmoon(Instagram)
京都府京都市左京区北白川東久保田町9
12:00~17:30
定休日:月・火・水(祝日は営業)
最寄り:市バス「銀閣寺前」「銀閣寺道」

Farmoonは料理研究家の船越雅代さんのスタジオで、夜は紹介制のレストランになるそうです。
ネット上ではあまり情報が見つからないのですが、BRUTUSの記事で詳しく書かれているので興味のある方はこちらもどうぞ。

2018年11月追記
入り口扉の右側に「Farmoon」という店名が表示されるようになっていました。
初めての方でもわかりやすくなったと思います!

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